LogicとFreddie Gibbsから見る「大人の対応」仲違いを一瞬で解消した彼らから学ぶ
ドレイクやケンドリック
が注目されるなか、彼らほどではないが、確実にファンベースを増やしているラッパーはたくさんいる。そのなかでもLogic(ロジック)とFreddie Gibbs(フレディ・ギブス)は注目するべきラッパーのうちの2人であろう。Logicは年末に10億ストリーミングを達成したとしてトップアーティストの仲間入りをしたことが証明された。
LogicとFreddie Gibbsの間に最近ビーフが起きそうであったことを知っているだろうか?ことの発端はLogicのアルバムカバー/トレイラーがFreddie Gibbsの物と似ていたことであった。Freddie Gibbsは3月7日にこのトレイラーを公開しており、Logicはその3週間後に似たコンセプトのものを発表したのであった。
Freddie Gibbs
The Return pic.twitter.com/wmjvMTKniB
— Freddie Gibbs (@FreddieGibbs) 2017年3月6日
Logic
Everybody. 5/5/17 pic.twitter.com/TkvXk6Iqvq
— Rap Larry David (@Logic301) 2017年3月29日
Logicこのトレイラーとデザインを受け、Freddie Gibbsは大変怒ったようで、インスタグラムにてLogicを批判したのである。
Logicへ。俺のアイディアを明らかにパクったお前が、今週リリースされる俺のアルバムを買うことを願うよ。
米ヒップホップ業界ではこの発言が彼らのビーフに繋がると予想されていた。しかしLogicはインタビューでもかなりの人格者っぷりを見せていることからわかるように、彼は大人である。さらにFreddie Gibbsも様々な苦難を乗り越えてきているのもあり、実は謙虚な面もある。普通のヒップホップアーティストだったらここでビーフに入り、お互いをディスり合うトラックをリリースしていただろう。しかし彼らはビーフを始める前に、誤解を解くためにちゃんと話し合ったのだ。Facetimeで会話をした彼らであるが、Freddie Gibbsはその後このように投稿している。
どうやら俺らはどちらも芸術/美術が好きなようだな
笑顔で会話する彼らは、先程まで確執があったようには見えない。ヒップホップは時にはお互いの誤解によってビーフが激化してしまうことも多々あった。しかし彼らはある意味ラッパーっぽくない方法で和解をしたのである。Logicは頻繁に「皆違う意見を持っている状態でお互いをリスペクトし合うことが”自分”を持つことであり、それが美しい」とインタビューなどでも語っている。Logicのこのコンセプトは、彼が2016年の夏にルーブル美術館で見たPaolo Veroneseの絵画に感化され、実際にSam Sprattにジャケットとなる絵をキャンバスに描いてもらったと語られている。
以前Changeという曲のなかでJ. Coleが「ハードな男であることが「リアル」ということではない」的なこと語っていたが、まさにLogicとFreddie Gibbsは心に思ってもいないツッパリをするのではなく、本当の意味で「リアル」な対応をしたと感じる。
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