2Pacロックの殿堂入りスヌープ・ドッグのスピーチを全文紹介【パート②】

 

パート①はこちら

2Pacがロックの殿堂入り

4月7日(アメリカ時間)にて2Pacがロックの殿堂入りを果たした。彼はソロヒップホップアーティストとしては初の殿堂入りアーティストであり、ヒップホップの歴史にとって大きな一歩となった。ジーン・シモンズのように、ヒップホップアーティストがロックの殿堂入りをすることを好まない人もいるが、やはりヒップホップファンからすると喜ばしいことであろう。

Playatunerでは当日にインスタグラムなどにアップされた映像からスヌープ・ドッグのスピーチ内容を紹介したが、XXLにてスピーチ全文が掲載されているので、今度は全文を紹介をしたい。少し文章が長いので、パート①、パート②、パート③にわけたい。(パート③は更新されたらリンクします)

 

スヌープ・ドッグ パート①の続き

俺らは若く、金持ちなロックスターであったが、同時に狙われた若い黒人だった。いつもトラブルに巻き込まれていた。だから俺らは一緒になったとき、アメリカで最もWantedな2人だったんだ。彼は刑務所から出所したばかりで、俺は自分の裁判に勝ったばかりだった。俺がクリーム色の内装の白いロールスロイスを買ったら、彼は同じ内装の黒いロールスロイスを買ったんだ。彼は仕立て屋を連れてきて、Hugo Bossのスーツやグッチやヴェルサーチなどの俺が発音もできないようなマフィアスタイルのブランドをたくさん紹介してくれたよ。俺がスイートのペントハウスを買ったら、向かい側にあいつも買ったんだよ。いわゆるご近所さんだ。俺らはお互い以外に最前線で活躍していて、仲が良い同年代がいなかったんだ。「大人」になろうと苦労している2人の黒人の「少年」だった。

 

2人の黒人の「少年」だったと語るスヌープ・ドッグ。彼は今でも少年のようなオジさんであるが、もしかしたら2Pacも今でも生きていたら少年のようなオジさんになっていたかもしれない。90年代後半にヒップホップ界にて流行ったマフィア風ファッションも2Pacから教えてもらったらしい。私たちに伝わってこないところでも相当仲が良かったのだ。そんな「少年的」なエピソードをさらにこう語った。

 

俺はこのストーリーはまだどこでも話したことがないんだけど、俺らが日常から抜け出すために、シュグ・ナイトが俺らを南アメリカに連れてってくれたことがあったんだ。俺は裁判が終わったばかりだったし、そこで俺と2Pacはパラセイリングをしたんだ。俺と2Pacが一緒にパラセイリングだぜ?ここで覚えておかないといけないのは、俺は裁判が終わったばかりだったし2Pacは出所したばかりだったから「なんでもトライしてみよう」って感じになってたんだ。皆パラセイリングってなんだか知ってるか?俺らは当時全く知らなかったんだ。シュグ・ナイトがボートを操縦して、俺らがボートの端にギアをつけた状態で座ってるんだ。何が起こるかわからない状態でシュグがボートを飛ばして、俺らは宙に浮くんだ。俺らはとても怖がってお互いを掴み合ってたね。シュグは意地悪だからボートを急に止めたりして、俺らは海に叩きつけられるんだ。海にサメでもタコでもいるかもしれないと思ってたから「おい!ふざけるな!」ってシュグに言ってたな。俺らは世界の頂点にいる気がしてたんだけど、実際に世界の頂点にいたんだ。空にいるときにパックが急に「スヌープが主役を飾れる映画のアイディアがある」とか言いはじめたんだよ。「空」にいたから全然彼の話に集中できなかったな。

 

今まで明かされなかった2Pacとシュグ・ナイトのパラセイリングの話がとても面白い。2Pacとスヌープといえば、仲違いしたまま他界してしまったエピソードや、シュグ・ナイトの暴君っぷりがフォーカスされるが、このような「楽しかったエピソード」を話してくれるのが、想像するだけでとても微笑ましい。さらに2Pacが見ていたスヌープのポテンシャルについて語った。

彼が俺に伝えようとしていたことは今までと違うものだった。彼は俺のなかに「演じる俳優」を見ていたんだ。自分で思っているより、2Pacは俺にポテンシャルを感じていた。面白いのは彼が亡くなってから、俺はたくさんの映画からオファーを受けるようになったんだ。亡くなっても、彼は俺のことを見守ってくれてたんだと思う。それが2Pacという人間だ。

彼は愛するときは、深く愛する。それは彼が黒人を愛するのもそうだし、ホーミーたちを愛するのもそうだし、レーベルと仲間たちを愛するのもそうだし、もちろん彼のとても強く、美しい母親「Afeni Shakur」を愛するのもそうだった。

 

2Pacの人生にて大きな役割を担った母親Afeni Shakurについてスヌープはこの後のパート③で語った。Afeniについては楽曲「Dear Mama」に絡め、紹介したが、是非こちらも読んでみてほしい。最後のパート③はこれから早急に翻訳をするので、見逃さないように是非TwitterFacebookをチェックしてほしい。

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