Drake「More Life」収録曲にまつわるお話。スティービー・ワンダーの演奏に注目
Drakeの最新プレイリスト「More Life」
Apple Musicの初日再生数が約9000万回弱、Spotifyの初日再生数が 6000万回ほどとなり、既に記録を塗り替えているこのアルバム/プレイリスト(ストリーミングはこちら)。米ツイッターでは様々な議論/ミームが行われているが、今回は気になるエピソードがあったのでそちらを紹介しようと思う。
2011年にドレイクがリリースしたアルバム「Take Care」に収録されている曲「Doing It Wrong」を知っているだろうか。「More Life」の4曲目である「Jorja Interlude」でドレイクは、この自身の曲をサンプリングしており、アウトロのハーモニカのメロディが印象的な曲となっている。
そんな両曲に出てくるハーモニカであるが、実はあのスティービー・ワンダーがハーモニカを実際に演奏しているのである。(「Jorja Interlude」ではピッチが下げられている)。こちらのGeniusのアノテーションでは、VillageVoiceにてDrakeが語った内容がこのように紹介されている。
➖ Stevie Wonderとの出会いについて
Drake: 昔出会ったときに電話番号を交換したんだ。だから俺がLAにいるときに電話をして、自分の「Marvin’s Room」という名のスタジオに招いたら、スタジオにきてくれたんだよ。
彼がきたとき、スタジオでは「Doing It Wrong」を再生していたんだ。そうしたら、スティービーが「曲の音量をあげてくれ」言ったんだよ。彼はとてもリラックスしている様子だった。
聞いた後、彼はブースに足を運んで、ハーモニカにてこのトラックに魂を吹き込んだんだ。彼はまるで俺の大親友のような存在でもあるし、尊敬する偉大な人物でもある。彼と仕事をできるのは素晴らしいことだし、この先ももちろん共に仕事をしていきたいと思うよ。
なんと彼はスティービー・ワンダーを自身のスタジオに招き、生ける伝説にハーモニカを演奏してもらったのである。もちろん無理矢理演奏させたわけではなく、スティービーは「Doing it Wrong」から何かを感じ取り、自ら魂を吹き込んだのである。また両トラックのクレジットを見ると、伝説Don McLeanの「The Wrong Thing To Do」と「When a Good Thing Goes Bad」の歌詞を引用していることがわかる。このようにして見ると、ドレイクの「ミュージシャン」としての音楽への愛情/リスペクトを感じとることができる。
ラッパーはよく「ミュージシャンではない」という評価を受けてしまうことがあるが、Thundercatが言うように確実に音楽でコミュニケーションを取ることができるのだ。
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