Best of 2016には入らなかったが、書いておきたい作品
Writer: 渡邉航光(Kaz Skellington)
2016年も本日で最後
弊社ではヒップホップメディアとして、Best Of 2016を「20位〜11位」と「10位〜1位」にわけて紹介した。しかし2016年は他にも素晴らしい作品が多かったので、こちらで「ジャンルなどの理由でランキングに入ることはなかったが、素晴らしかった作品」を紹介していきたいと思う。
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KNOWER – Life
KNOWERの「Life」は今年リリースされた作品のなかで、ベストMV賞をあげたくなる作品となっている。ヒップホップではないので、トップ20には入れなかったのだが、アルバム全曲通してぶっ飛んでいるので是非聞いて欲しい。8月には来日をし、最高のライブを見せてくれたのでまたの来日が楽しみだ。その際にインタビューをPlayatunerでしたので是非読んでほしい。
・KNOWER来日スペシャルインタビュー【LA発超絶エレクトロ×ジャズファンク】
Meek Mill – DC4
Meek Millの「DC4」に関しては他の曲は典型的な現代の「トラップっぽいトラックの上で三連符をラップをする」スタイルなので、特出したものではなかったが、この曲に関してはグッときた。自分がいかに努力をしてここまで上り詰めたかを語る当曲は、ヒップホップそのものだろう。
Wonk – Sphere
今年は日本のバンドがさまざまなジャンルを世界基準へと昇華させた年だったと感じる。そのなかでもWONKはブラックミュージックを「日本人」として昇華させたバンドだろう。とにかくライブでのアレンジやセッション感が素晴らしいので一度見に行ってほしい。ヒップホップではないので、ランキングに入れることができなかったのだが、素晴らしい作品である。
・エクスペリメンタル・ソウルバンド「WONK」スペシャルインタビュー
BARB – Brew Up
BARBの「Brew Up」はJazzに新しい風を吹き込んだと感じる。Jazzにキャッチーにメロディをのせ、さらにはシンセベースにてゴリゴリ盛り上げる楽曲は今までのJazz像を良い意味でぶち壊しに来ている。ヒップホップではないので、トップ20ランキングに入れることができなかったのだが、素晴らしい作品である。
・元PE’Zの門田”JAW”晃介スペシャルインタビュー【BARB 1stアルバム「Brew Up」発売記念】
Aesop Rock – The Impossible Kid
Aesop Rockの「The Impossible Kid」ではいつも通りの言葉遊びスキルを見せつけてくれた。サウンドとしてはオルタナティブ・ヒップホップと言ってもいいだろう。さすがRhymeSayers Entertainment所属のアーティストであって、言葉の操りが素晴らしい。語彙力がトップのラッパーとしても知られている。
Yahyel – Flesh and Blood
またもや日本のバンドであるが、Yahyelの「Flesh and Blood」はWONKと同じように、世界基準のアルバムであろう。MVの世界観も含め、音源のクオリティも最高のものとなっている。今後世界に広まることが予想ができる。これも例によってヒップホップではないので、トップ20ランキングに入れることができなかったのだが、素晴らしい作品である。
Snoop Dogg – Coolaid
Uncle Snoopが今年リリースした「Coolaid」は、彼のギャングスターラップ回帰作品となった。プロダクションにはSwizz BeatzやJust Blazeが参加しており、安定して聞けるアルバムである。「Doggystyle」ほどではないが、アグレッシブなラップ回帰した彼のラップは必聴だ。あまり成功しなかったアルバムであるが、その理由をスヌープ・ドッグはこう語っている。
・スヌープドッグの1stアルバム「Doggystyle」が23周年。G-Funk最高傑作の制作秘話
Nao – For All We Know
イギリスのアーティストNAOのデビューアルバムとなった「For All We Know」。1934年にリリースされたJazz曲と同名をもったこのアルバムであるが、エレクトロファンクやシンセポップを混ぜ合わせた新世代ブラックミュージックともいえる作品となっている。
Diamond Ortiz – Loveline
Diamond Ortizの「Loveline」は今年ベストモダンファンクであろう。OCファンクとも言えるビートの上にのるトークボックスは完全にローライダー案件である。P-FunkやZapp & Rogerを彷彿とさせるビートに西海岸感を足したジャンルのうち、G-Funkほどギャングスター路線にいかなかったモダンファンク、西海岸ファンクは好きだけどG-Funkは少しオラつきすぎてて苦手、という方は是非聞いてほしい。
・西海岸のモダンファンクシーンが水面下で熱い!【インディーズ】
Yasei Collective – Lights
Yasei Collectiveの「Lights」は今年最も衝撃を受けたアルバムの一つかもしれない。Yaseiはとにかくライブが最高であり、今までのJazzと他のジャンルの壁をぶち壊しているライブだと感じる。一秒たりとも目が離せなく、固唾をのむようなライブは必見である。
このように今年は、弊社のヒップホップトップ20には入らなかったものの、素晴らしい作品がたくさんリリースされた。ヒップホップにかぎらず、他のジャンルも勉強することによって、自分のヒップホップ感を鍛えることができると感じる。来年もヒップホップに限らず素晴らしい作品たちがリリースされると期待が高まるばかりだ。
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