Dizzy Wrightの26歳の誕生日を記念して彼の楽曲やウィードへの気持ちを紹介
Writer: 渡邉航光(Kaz Skellington)
個人的な話になるが、私は90’sヒップホップが大好きだ。そのため最近のラッパーに対して厳しい意見を持ってしまったりすることが多い。そのような厳しい意見の中でも、近年流行りのビートでも、「これぞヒップホップ」と言わんばかりのビートでも、どちらでもスキルを見せつけることができるラッパーが好きだ。Dizzy Wright(ディジー・ライト)は2010年代のラッパーの中でも、私のお気に入りだ。本日(アメリカ時間)はそんなDizzy Wrightの26歳の誕生日ということで、彼を紹介するがてら、彼のウィード愛について探ってみようと思う。
Dizzy Wright(ディジー・ライト)
私が初めてDizzy Wrightを聞いたのは上記の曲だ。Judy Clay & William Bellの”Private Number”のイントロをサンプルしたビートの耳触りの良さに惹かれた。なんとなく名前をみたとき、「どうせ最近のトラップ風でオートチューンを使った曲だろう」と思ったのと裏腹にトラックとラップのレベルの高さに驚いたのを覚えている。内容、言葉遊びもとても凝っていて「気に食わないことをされても、優しさで殺す」というなんともピースフルであり、かつアグレッシブな内容となっている。
Dizzy Wrightはミシガンで生まれ、ラスベガスで育ったラッパーである。彼について語るときに外せない話題がある。それは彼がBone Thugs-n-Harmony(ボーン・サグスン・ハーモニー)のLayzie BoneとFlesh-N-Bone の甥ということだ。Eazy-EのRuthless Recordsに所属していた彼らを見て育った彼にとってヒップホップとは特別なものであったのであろう。
彼は若くしてHopsinのFunk Volumeというレコードレーベルと契約した。インディーズレーベルにも関わらず彼のデビューアルバム「Smokeout Conversations」はビルボードR&B/ヒップホップチャートにて42となった。
2012年のヒップホップの流行りを取り入れながら、ラップのスキルも見せつけてくる。
そんなDizzy Wrightだが、彼のラップと語る上で最も重要なのは「グッドヴァイブス」であろう。ウィードを吸い、問題から逃れ、とにかくポジティブに生きる様子がファンを魅了するのだ。そのポジティブさと鋭いラップのバランスが素晴らしい。
自分は世界平和の代表だ、ラップで語るDizzy。初期の作品は流行りのビートを追い求めていた感じがあるが、最近の作品は全体的にメローなビートが多い。
ウィードと平和を題材にした曲が多く、西海岸とヒッピー文化に影響されているのが伝わってくる。さらに下記の動画ではサイプレス・ヒルのBリアルとスモークをしながら、自分のウィード感について語っている。
この動画によると彼は外ではダブ(マリファナのTHC成分を抽出した濃いワックス状のウィード)をしないとのこと。あまりにも自分の意識を奪われるのは良くないと感じているらしい。さらにはブラント(葉巻の中にマリファナをつめた物)もやはりタバコの成分が体に悪いという理由で好まないとのこと。健康志向で、成分の良い純度の高い葉っぱを吸うのが好きと語っている。もう顔がストーナーの顔をしすぎていて、面白い。
今年にリリースした彼の「Wisdom and Good Vibes」というアルバムがオールドスクールと現代のメローさを併せ持っていて、かなりオススメできる。初期アウトキャストとケンドリックが混ぜ合わさったような作品である。
このようにカルチャー的にもリリック的にも深い内容を発信し続ける若手はかなり貴重であろう。Funk Volumeが解散した今であるが、彼の今後から目が離せない。
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