LBCのギャングに故郷を立ち入り禁止くらったSnoop Doggの返答。若者への想いとは?
Writer: 渡邉航光(Kaz Skellington)
ラップゲームに多数存在するギャング出身のアーティストたち
80年代後半にギャングスターラップが生まれてから、公に自分がギャング出身だと表明するアーティストが増えた。その中でも有名なのはSnoop Dogg(スヌープ・ドッグ)であろう。ロスアンゼルスのLBC(ロングビーチ)出身の彼は、LAの2大ギャングのうちの一つ「Crips(クリップス)」出身である。
ギャング出身のアーティストは、成功するとその貧困地域にたいして還元するという掟があるかのように、皆地域に恩返しをするのだ。スヌープ・ドッグも今までLBCに、金銭的な援助などもしてきた。しかし2015年に突然今まで支援してきたLBCのギャングCrips出身の老人たちが、スヌープに出禁を言い渡したと噂されていた。その理由しては、スヌープが彼らの生活を支援しなくなったからだという。その「出禁疑惑」についてスヌープが投稿した返答が、とてもスヌープらしいので注目ポイントを和訳してみた。
キング牧師を祝い、最近は彼のように平和な心で生活しようと心がけていて、俺に対するヘイトには目を向けないようにしてた。キング牧師的なスヌープより、マルコムX的なスヌープも見せたほうがいいだろう。最近俺に当てられたネガティブなことにたいして、解答をしていく。
まず最初に、俺に対してLBCのフッドから出禁とか言ってるやつら、俺は自分のやりたいことをやりたいときにやるって知っておけ。
そして俺がお前らへの支援を辞めたからこうやって愚痴っているやつ、お前らは50歳になっても仕事を見つけられないのか?お前らはその年になって俺が支援しないから怒ってるのか?俺が子供たちを支援していて、お前らに手が回らないことに怒ってるのか?47歳になった俺が、仕事も車も持ってない年寄りを「ビッグホーミー」と呼ばないことに怒ってるのか? 貧困地域の恵まれない子供たちのためにスポーツを普及させる活動してる俺にたいして嫉妬してるのか?
スヌープは彼に頼り切って自分では何もしない人たちに対して、こう解答した。若い世代を支援することに注力している彼には、自分では仕事もしないで愚痴を言っている人たちには支援しないと言うのだ。さらにLBCについて彼はこう語る。
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言っておくが、お前らLBCから出禁とか言ってるけど、俺自身がLBCだってことを忘れるな。俺がLBCのギャングバンガーやLBCという土地を世界に広めたやつだぞ?俺がLBCのキングだ。そしてお前らは知らないだろうけど、俺とLBCの若いやつらとの関係性は素晴らしいものだ。
自分のフッドがいい方向にいくように改善しようとするのが「本物のビッグホーミー」だと覚えておけ。確かに俺はLBCのギャングを世の中に広めたけど、今はポジティブさを貧困地域に持ち込もうとしてるんだ。若い世代に、銃を渡すことを俺はもうしない。彼らの手には銃やドラッグじゃなくて、マイク、MBox、ドラムマシーンやカメラを持たせることに専念したいんだ。お前らが俺を引きずり下ろすことなんてできないんだよ。俺はビッグスヌープ・ドッグだ。覚えておけ
そう、彼は若い世代にポジティブさを持ち込むために年寄りに対する支援をしなくなったのだ。このようなポジティブなことをやっていることにたいして、噛み付いている老人たちは彼にとって眼中にないとのこと。治安の悪い場所で育った彼はフッドにとって何が良いか、どのようなことをしたら治安向上になるかと常に考えているようだ。確かにギャングスタラップを広め、残忍なラップで表舞台に出てきたスヌープであるが、彼は常に地域に還元することを考えている。
ライター紹介:渡邉航光(Kaz Skellington)カリフォルニア州OC育ちのラッパー兼、Playatunerの代表。FUJI ROCK 2015に出演したumber session tribeのMCとしても活動をしている。
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