カニエ・ウェストがJ Dillaについて語る。J Dillaの凄さとは?
伝説のプロデューサー
というフレーズを聞いたとき、誰を思い浮かべるだろうか。そのなかには間違いなくDJ PremierやJ Dillaが含まれるだろう。特にJ Dillaは2006年2月7日に亡くなっているのもあり、彼の功績を讃える声は後を絶たない。スヌープ・ドッグもJ Dillaについてレジェンドと語っている。彼に影響されたプロデューサーは大勢いるが、そのうちの一人がKanye West(カニエ・ウェスト)であろう。
そんなソウルフルなサンプルを使用するカニエ・ウェストであるが、Stones Throwのドキュメンタリー「Our Vinyl Weighs a Ton」にて彼がJ Dillaについて語っているので紹介したい。
(J Dillaと会ったことがあるかと聞かれ)
カニエ・ウェスト:俺とLAにあるコモンの家でJ Dillaと会ったんだ。J Dillaと俺は本当に音楽しかしなかった。コモンと俺はよくバスケやったり、映画いったりで一緒に遊んだけど、J Dillaとはトラックを作ることにフォーカスしてた。彼のMPCをみて「ヒップホップ史上最高のドラムである彼のドラムはここから出てきたのか…」と感動したのを覚えてる。
J Dillaをリスペクトしているアーティスト/ファンとして、彼と音楽を作った期間がとてもインスパイアリングであったと語るカニエ・ウェスト。そして彼はJ Dillaの凄さについたこう語る。
カニエ・ウェスト:彼の音楽はとても自然で有機的なフィーリングがあるんだけど、画期的な音でもあったんだ。温かい音なのに、スピーカーを斬り裂いて耳に残るサウンドをつくることができる。まるでクインシー・ジョーンズのプロダクションがあの小さいMPCの中に詰まっているような感覚だ。
J Dillaの音が温かいが画期的という点をクインシー・ジョーンズに例えながら説明するカニエ・ウェスト。さらに他のプロデューサーとの違いをこのように語っている。
カニエ・ウェスト:ほとんどのプロデューサーはやっぱ冷たい音なんだよね。FLとかで作ってると特にそうなるし。俺の曲はカラフルで温かいけど、ミックスの段階でそうなるように試行錯誤しないといけないときもある。ただJ Dillaの場合はキックとスネアの音も、スウィングもシャッフルの仕方も全てが毎回最高で、まるで最高の女性器のような感覚の音だよ。
「まるで最高の女性器のよう」というフレーズを言った後、自ら笑うのを我慢しているようにも見えるカニエ・ウェスト。しかし彼が語るJ Dilla像が上手く伝わってくる説明となっている。J Dillaのビートが何故他のプロデューサーと違うのかがよく理解できる。J Dillaのサンプリングを体験できるサイトがこちらにあるので是非チェックしてみてほしい。
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