初グラミーを受賞したビヨンセの妹、ソランジュのスピーチに注目しよう。「先人たちが道を作ってくれた」
2017年グラミー賞にていろいろ話題となったビヨンセ。素晴らしいパフォーマンスからアルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞しなかったことまで、世間の視線を常にかっさらっていくクイーンである。そんな彼女の「Lemonade」も素晴らしいアルバムであったが、去年リリースされたアルバムで「Lemonade」並に素晴らしかったのは彼女の妹Solange(ソランジュ)の「A Seat at the Table」であろう。むしろ個人的にはソランジュの作品のほうが好みであったかもしれない。
そんなソランジュはベストR&Bパフォーマンス部門で、初のグラミー賞を受賞したのである。そんな彼女がHipHopDXにて語った受賞スピーチが素晴らしいので紹介をしたい。
私はニーナ・シモンやマーヴィン・ゲイなど、音楽とアートにそのような政治的メッセージを載せたアーティストたちをとても尊敬しているわ。アーティストであり、ソングライターである人にとって「自分の真実」を書くことはとても大切だと感じる。そして今の時代も人々と共鳴し、広まっている音楽はそれを映し出していると感じる。私はそのようなアーティストに感謝している。そのように自分でリスクをとって表現をすることは簡単ではないし、とても怖いことだから。
ニーナ・シモンなどのブラックミュージックレジェンドを尊敬していると語るソランジュ。「自分と社会の真実」を書くことがいかに大切で、難しいことかということを話してくれている。
例えば今ではニーナ・シモンの功績はとても称えられているけど、昔は弾圧されていたわ。当時は「歌を歌っていればいいんだ」と言われていたらしいの。そのように弾圧されても「音楽」で真実を伝えたアーティストたちが私たちが前に進む道を作ってくれた。
彼女が言っていることは正しいと感じる。私たちがこのようにアーティストの表現の自由を堪能し、さらには世間に不安を持ったときに頼れるような音楽ができたのはこのような先人たちのおかげであろう。ブラックミュージック/ファンクミュージックとはまさにそのような理念の元に成り立っているジャンルだと感じる。ニーナ・シモンを聞いたことがない人は彼女の力強い歌を聞いて欲しい。
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