【California Love】トークボックスのメロディが最高なヒップホップ曲10選【24k Magic】

 

Talkbox (トークボックス)

という手法を知っているだろうか?ヒップホップやブラックミュージックファンであれば、絶対一度は聞いたことがあるだろう。簡単に説明すると上記の2Pacの代表曲「California Love」のサビでRoger Troutmanが演奏しているメロディである。最近ではブルーノ・マーズの「24k Magic」のイントロで使用されていたのもあり、最注目されている。

トークボックスはボコーダーと混同されることが多いが、ギターやシンセなどの楽器の音に人が喋っているような発音を加える手法である。簡単に原理を説明をすると、楽器から出た音を専用のエフェクターとチューブに通し、そのチューブを口に加えることによって、チューブから出ているサウンドに「発音」を宿らせることができるのだ。(こちらの動画がわかりやすい)1970年代から使用され始め、スティービー・ワンダーや「Zapp」のRoger Troutman(California Loveのサビ)に代表される。特にG-FunkはZappからの影響が大きい。

というわけでトークボックスという手法を使用したヒップホップ曲を10曲紹介したいと思う。(California Loveは冒頭で紹介したので除いた。)

 

Kool G Rap – My Life


リリカルなラッパーとして君臨しているKool G Rapが2002年にリリースした「The Giancana Story」のなかからシングルカットされたこの曲。トークボックスにはG-Wiseが参加しており、ビルボードラップシングルチャートで6位を記録している。注意して聞くと、トークボックスを演奏するときのキーボードの鍵盤の音が聞こえる。サンプルの元ネタはFania All StarsのCha Cha Cha

 

DJ AK – California Dreamin’


フランスにて活動するDJ AKが西海岸レジェンドのSpice 1をフィーチャリングした作品。DJ AKはトークボックス奏者として一流のスキルを持っていると感じる。彼の他の曲も西海岸に影響されたトークボックスを多用しているので、是非チェックしてみて欲しい。

 

Roscoe – I Love Cali (in the Summertime)


Kuruptの弟であり、DPGCのメンバーであるRoscoeの代表曲である。夏にぴったりなトークボックス曲となっており、全体的にカリフォルニアへの愛が伝わってくる。今ではトークボックス界の定番アーティストとなったFingazzがサビを演奏している。

 

Big Boi – ShutterBug


弊メディアでも頻繁に登場するサウスのレジェンド「OutKast」のBig Boiのソロ曲。サビにてCuttyがフィーチャリングされており、プロデューサーはDr. Dre「2001」のキーマンとなったScott Storchである。ステレオで振ってあるメインベースリフもトークボックスにて演奏されている。

 

Erick Sermon – Focus


西海岸レジェンドのDJ QuikとErick Sermonがプロデュースした当曲であるが、DJ Quikによるトークボックスはとてもキャッチーである。「Eric Onasis」の1stシングルとなった。

 

Kool Keith – Master of the Game


Ultramagnetic MCsのKool Keithのこの曲であるが、エフェクトのかけかた的にボコーダーに聞こえる箇所もあるが、この曲にてトークボックスを担当しているのは「California Love」と同じくトークボックスレジェンドの「Roger Troutman」である。

 

Madogg – Keep Doing What You’re Doing


これも先程RoscoeのI Love Caliにて紹介したFingazzがサビのトークボックスを担当している。FingazzはEn Vogueのツアーシンセ/トークボックスを担当していたこともあり、Snoop Dogg、Flo Rida、Tygaなどの曲でもトークボックスとして参加している。

 

DJ Quik – Roger’s Groove


先程も少し紹介した西海岸レジェンドDJ Quik。ZappのRoger Troutmanから多大な影響を受けていた彼はRogerが亡くなったときにこのトリビュートソングをリリースしたのだ。Zapp & Rogerの代表曲「More Bounce to the Ounce」のメロディを使用したり、彼のRogerへの想いが伝わってくる。DJ Quikはこの曲以外にも多数トークボックスを使用している。

 

Gfunk – Taking Over


Gfunkという名前のド直球なアーティストであるが、この曲のサビは先程紹介したDJ AKである。DJ AKのトークボックスメロディがこの曲を彩っている。個人的には2Pac、Snoop Dogg、Dr. Dreのヴァースをマッシュアップしたこちらのリミックスのほうが好みである。

 

Doggmaster – Pop Lock Funk


今やアンダーグラウンドモダンファンクの定番となったDogg MasterとXL Middletonであるが、この曲はこの2人によるコラボである。トークボックスはDogg Master、ラップはXL Middletonが担当しており、Neo-80s+G-Funkと言っても過言ではないサウンドとなっている。

 

いかがだろうか?トークボックスはこのように昔から現代まで語り継がれる手法なのである。楽曲にファンクネスを足すこの演奏スタイルは今後最注目されると感じる。ブルーノ・マーズの「24k Magic」にてフィーチャーされた今、「あの音はなんだ!?」となっている人がいると思うので是非この記事でトークボックスの世界にハマって欲しい。私がラップしている曲でもトークボックスが使用されている。

ライター紹介:渡邉航光(Kaz Skellington)カリフォルニア州OC育ちのラッパー兼、Playatunerの代表。FUJI ROCK 2015のルーキーステージに出演したumber session tribeのMCとしても活動をしている。

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