コンプトン出身のYGが2016年にどのように人として成長したか?

Writer: 渡邉航光(Kaz Skellington)


 

YG Fuck donald trump

 

2016年はYGの年と言っても過言ではないだろう

2016年はコンプトン出身の26歳のラッパーにとって大きな年になった。彼はLAを拠点に活動をするギャング「Bloods(ブラッズ)」出身なわけであるが、去年の彼はただのギャングスタラッパーに留まらなかったと感じる。

 


関連記事

コンプトンでYGが「Fuck Donald Trump」ベーグルを無料で配布

カニエ・ウェストのトランプ訪問にたいするYGとA$AP Fergの反応の違い。カニエの意図とは?


 

そんな彼が2016年を振り返っているインタビューが興味深いので、是非解説したい。From: Billboard

 

YG

➖ 2016は2015とは違う年になった。自分のレーベル、パブリッシング会社、ファッションブランドを立ち上げて、さらには2ndアルバムをリリースした。2015年に起こったようなことは、2016年に起こらなかったからそれは良かった。2015年はDJ Mustardとも喧嘩別れをしたし、撃たれたし、自分の心は暗い場所にいた。しかし2016年の6月に「Still Brazy」をリリースしてからいい方向に向かっていったと感じる。

 

2015年はYGにとって辛い一年となった。その裏腹、2016年に「Still Brazy」をリリースしてから状況が変わったという。さらには2016年象徴する曲となった“Fuck Donald Trump”についてはこう語る。

 

➖ 俺は特に政治について書くつもりはなかったんだ。ただアルバムをつくっているときに、俺らが住んでいるコミュニティで色々なことが起こった。警察に立て続けに殺される黒人たち、メキシコ人だからといってトランプに差別される人たち、そんな人たちが周りにいたんだ。最初はスタジオで話しているだけだったんだけど、話しているだけの自分が嫌になって、ラップにした。

“Fuck Donald Trump”は誰にでも書けた曲だろう。ただ俺らのこの気持はリアルで、俺らの周りも皆同じことを思っていた。それをやっと誰かが言ったんだ。

 

 

“Fuck Donald Trump”がどのようにしてできたを語るYG。として2016年に起こった一番のできごとが「娘」だと語った。

 

➖ 2016年の一番大きかったのは、娘の存在だ。2015年に生まれた娘のおかげで生活が変わったと感じる。昔はただ盛り上がって、ずっと遊んでるだけの人生だった。でも今はやるべきことをやったら、家に帰るんだ。俺にはその存在が必要だった。

 

そう、YGはアーティストとしてだけではなく、人として成長していると感じる。ギャング出身の若者から、音楽でメッセージを伝える父へと変わった彼の今後の活動から目が離せない。

関連記事

YG「Fuck Def Jam」ーその理由とは?

カニエ・ウェストのトランプ訪問にたいするYGとA$AP Fergの反応の違い。カニエの意図とは?

 

ライター紹介:渡邉航光(Kaz Skellington)カリフォルニア州オレンジカウンティー育ちのラッパー兼、Steezy, incの代表。英語でラップをする。FUJI ROCK 2015のルーキーステージに出演したumber session tribeのMCとしても活動をしている。

 

いいね!して、ちょっと「濃い」
ヒップホップ記事をチェック!