2016年にツアーをキャンセルしたラッパーたち5人。
もし自分が行くはずのライブがキャンセルになったら?
実際にこのような経験をしたことがあるだろうか?私が最後に覚えているのは、2015年のソウルキャンプにてMos Defの出演がキャンセルになったことである。そのときはタリブ・クウェリが2日連続でライブをやり、コモンやローリン・ヒルも見ることができたので満足はできた。しかしもしこれがイベントごとキャンセルになっていたとしたら、どのような気持ちになっていただろうか?
英語の慣用句で“The show must go on(物事の途中でハプニングが起こっても、投げ出してはいけない)”というフレーズがある。さらに楽しみにしていたライブがキャンセルされたとき、お客さんにとっては「チケットの払い戻しを待つ」くらいのことしかできないのだ。もちろんアーティストにとっても緊急な理由もあり、私たちが体調不良で仕事を休むように、彼らもさまざまな理由を持って休むのである。
ということで2016年にツアーをキャンセルしたラッパー5人を紹介しようと思う。
Yelawolf(イェラウルフ)
Yelawolfは、アラバマ州ギャズドゥン出身のラッパーで、エミネムのShady Recordsからアルバムを出している。そんな彼は今年行われていたTrial By Fire Tour(トライアル・バイ・ファイアー・ツアー)を突然キャンセルしたのである。ステージ上でお客さんに殴り合いの喧嘩を吹っかけ、ライブハウスの機材を破壊した後、ステージから去ってしまったのである。アーティストとして常に大勢の前に立つということはとてもストレスフルであり、彼はもう少し自分のために時間を使ったほうがいいのかもしれない。
Drake (ドレイク)
自身のSummer Sixteen tour(サマー・シックスティーン・ツアー)の最中、突如ドレイクは足首の痛みを訴えた。彼はそのままツアーを決行する予定だったが、足首の痛みが余計ひどくなってしまったのである。Drakeは医師からツアーの延期を指示されたので、彼は結果的にその指示に従うことにしたのだ。「延期」という言葉が意味するとおり、今後ツアーが再開される見込みがあるのかもしれない。
Kanye West(カニエ・ウェスト)
今年はカニエ・ウェストの行動が度々話題に上がった年である。大統領選でアメリカの情勢が荒れる中、トランプに対する支持を表明したことから一連の事件は始まった。表明したライブを最後に、全米ツアーをキャンセルし、病院に搬送されたのである。さらには退院後、トランプと面会をし、ヒップホップ界を騒がせた。
ツアーキャンセルの理由が、一時的な精神異常による脱水症状や疲労などという報道がされ、「カニエ大丈夫か?」と感じた人も多かったであろう。
さまざまなアーティストが彼の行動にたいして発言をしており、「カニエの行動には実は深い意味があるのではないか」、とも言われている。この先の動向が気になる方は、引き続き彼の行動を考察してみるのもいいかもしれない。
Chance The Rapper(チャンス・ザ・ラッパー)
Chance The Rapperは、シカゴ出身の23歳のラッパーである。チケットを高額で売りさばくダフ屋から2000枚も買い戻し、安い値段でファンに改めて売ったことからも、彼がいかにファンのことを気にかけているかがわかる。しかし、彼は今年「個人的な事情」によりツアーをキャンセルしたのである。
ちなみに彼が初めて購入したヒップホップのアルバムは、カニエ・ウェストの「The College Dropout(ザ・カレッジ・ドロップアウト)」とのこと。
Travis Scott(トラヴィス・スコット)
Travis Scottは、テキサス州ヒューストン出身、24歳のラッパーである。
カニエ・ウェストのG.O.O.D. Musicと契約しており、そのファッションセンスから、若者に注目されている。そんな彼は、新作“Birds in the Trap Sing McKnight”のミキシングとマスタリングに没頭するために、残りのショーをキャンセルすることを決意したのである。ツアーのキャンセルは残念だが、そのおかげでメジャー2nd LPをリリースできたのである。
上記が今年ツアーをキャンセルした5人のラッパーである。実際にはザ・ゲームなどもオーストラリアツアーをキャンセルしているわけだが、書類ミスがあり出国できなかったことが理由となっている。大勢の人に常に生活が晒されている「アーティスト」という職業は、やはり精神的に大変なのだろう。
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