Jay-Zの起業家としての人生から読み取る。彼の「成功の秘訣」を10個厳選
ビジネスマンとしても有名なJay Z
アメリカ時間で本日はJay Z(ジェイZ)の誕生日だ。NYブルックリン出身の彼はラッパーとしてだけではなく、ロッカフェラ・レコードの創業者、デフ・ジャム・レコードの元CEOとしても知られており、音楽以外にも様々なビジネスを手がけてきた。そんな起業家としても成功している彼の人生から教わる10個の大切なことを紹介していきたいと思う。
1.チャンスは自分で作れ
Jay-Zの成功は、すでに存在するチャンスから生み出されたものではなかった。ドラッグディーラーとして資金を稼いだ彼は、成功を手にするために相当努力したのであろう。そう考えると彼は成功へ繋がるチャンスを自分で生み出したのだ。
彼がラップを始めた当時、彼の音楽に対して契約してくれるようなレーベルはどこにもなかった。そこで彼は自分で行動を起こし、友人であるDamon Dash(デイモン・ダッシュ)とKareem Burke(カリーム・バーク)の協力を得て、自身のレーベル“Roc-A-Fella Records(ロッカ・フェラ・レコード)”を立ち上げたのであった。
2.ハッスラーになれ
ハッスラーには「ドラッグディーラー」という意味もあるが、広義には「どのような状況/題材でも金を稼げる」人のことを言う。これはShawn Corey Carter(ショーン・コリィ・カーター)がJay Zという名前を使うようになる前の話である。彼は12歳の時から、ブルックリンの中央に位置する地区、ベッドフォード=スタイベサントにて麻薬密売人としての生活を送っていた。
この「どのような状況/題材でも金を稼ぐ」状況で得た知恵は、後に彼がビジネスマンとして成功するようになるためにとても大事な経験となった。Jay-Zは、著書Decoded(デコーデッド)の中でこう語っている。
「俺がラッパーになると決意したとき、俺は貧困になる誓いを立てたわけじゃない。俺が愛する文化と、俺の生まれもった才能の一致で、それによって金を稼ぐためラッパーになったと俺は認識していた。アートをつくるというより、「ハッスル」をするという気持ちが一番のモチベーションだった。だが皮肉にも、金を稼ぎ成功するためには、アーティストとしても成長する必要があったんだ。」
3.使えるリソースは全部使う
まだJay Zが自主レーベルをはじめた駆け出しの頃の戦略が驚くような内容となっている。ドラッグディーラー時代に築き上げたリソースををフルに活かし、プロモーションを行ったのである。
まず彼はドラッグディーラーや街の若者を雇い、ストリートチームを結成したのた。雇った人たちを街角に分散させ、プロモーション用のポスターやチラシをそこらじゅうに貼りまくったのである。さらにはそこで直接シングルを購入できるようにしたのである。ここで起業家として一番参考にすべきところは、いきなり広く浅くを狙うのではなく、狭く深くを狙うことにより、話題が加熱したときに爆発するということだ。彼の「使えるものは全力で使う」という姿勢は成功を手にするために重要なことであろう。
4.自分のビジネスが自分のブランドだと理解しろ
Men’s Healthのインタビュー内で、Jay Zはこう語っている。
「俺のブランドは、俺の延長線的存在なんだ。それは単に最高経営責任者になるということとは違う。俺と、とても親しくて、俺が個人的にどういう人間なのかを表すものなんだ。服も音楽も俺の延長線上にある存在で、俺がやるすべてのビジネスは、文化の一部だ。
だからどんな道に進んでいたとしても、俺がそのとき感じているあらゆる事柄に対して誠意を持っている必要がある。それをアウトプットしたものにみんながついて来てくれると願うんだ。」
5.トレンドを気にするな
どの起業家もなぜその特定の商材を開始したのかを自分で理解する必要がある。彼の著書Decodedの中で、Jay Zはこう語っている。
「常に、もっとも大切にしていることがあって、それは周りの人間が何をしようとしているのかを気にする前に、自分の空間について理解することなんだ。時代が進むにつれ、テクノロジーの発達は、より簡単に人々を繋げる存在になっていく。しかし自分と繋がることは余計に難しくなっているのかもしれない。そしてこのことは、どのアーティストにも非常に重要なテーマだと、俺はそう思う。」
自分自身がどうしたいのか?それを見つめることにより、後悔のない選択ができるのだ。
6.よきメンターを捜し出せ
どんなに偉大な人でも、一人で全てを達成することは不可能だということは当たり前である。Zack O’Malley Greenburg著作の、Jay-Zの伝記書籍「Empire State of Mind(エンパイア・ステイト・オブ・マインド)」の中ではこう記されている。
「Jay-Zはメンターから学べることをすべて学び、そして必要がなくなれば関係を絶ち、また新たな指導者の元へ学びにいくような人だ。彼のキャリアの中でのJaz-O(ジャズ・オー)やDamon Dashとの関係を見ればわかるとおりである。」
起業家は柔らかい頭を持っていないといけなく、どれだけ知識が豊富であるかは問題ではないのだ。成功した人たちはメンターから吸収することがどれだけ大切かを知っている。
7.スキルセットの多様化
スキルセットをの多様化をし、自分が手がけた「作品/ビジネス」を増やすということが彼のビジネスの掟の中で最重要とされるルールの一つだ。変動の激しい市場において、起業家たちは多種多様な方法/方向で思慮深く考え抜き、自分のビジネスやブランドを作り変えていくべきであるとJay Zは語る。
8.拒否されることに慣れろ
Jay Zは自分のレーベルを作る前、たくさんのレーベルに拒否されてきた。普通のメンタリティの人間であれば、この時点で「もしかしたら俺って才能ないのかな…」と諦めているであろう。しかしJay Zは拒否されると、それ以上のものを自分で作る人なのである。アパレルのメーカーから微妙な契約を提示されたときは、自分でアパレルブランドを作り何十倍もの評価額を叩き出した。
9. 金の行き先を知れ
起業家として、自分の産業の動向については知っておくべきだ。だがそれだけではなく、何かが消滅する前に、それを予測出来るようになっておく必要がある。Jay Zは人々のお金がどのようなものに消費されているのか、自分がどのような行動をとれば自分も消費者も幸せになれるのかを常に考察している。
10.派手に成功する気がないなら諦めろ
Jay-Zが自身のレーベルRoc-A-Fella Recordsからファーストアルバムをリリースしてから18年が経過した。
「俺は初めから、アーティスト、そしてCEOになることを強要されていたんだ。俺がレーベルと契約しようと苦悩していたとき、それを一人で達成することはあまりにも難しかった。その時、それを諦めるか、自分で派手に成功して見返すかの二択しかなかった。」
派手に成功するような気持ちで物事に取り組まないような人たちは成功しないという言い回しにも聞こえる。彼は常に全力で「ハッスル」してきたのだ。
いかがだっただろうか。彼の人生をおさらいすることにより、成功への秘訣が見えてこないだろうか? 「自分でハッスルしてやる」という個人の想いを大切にしながらも、先人からの知恵を吸収し、使えるリソースは使っていく「まさに起業家」スタイルである。特にメジャー契約がなくても成功に繋がるインターネット時代にはアーティスト自身がビジネスマンとして、上記のようなことを心がけるのが大切なのかもしれない。
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