DJ Quikが楽曲をプロデュースするときのプロセスを語る
Writer: 渡邉航光(Kaz Skellington)
西海岸を代表するプロデューサー
というフレーズを聞いたとき、誰を思い浮かべるだろうか?もちろんDr. Dre(ドクター・ドレー)やDJ Battlecatを思い浮かべる人が多いなか、絶対に忘れていけないのはDJ Quik(DJクイック)だろう。
自身もラッパーとして活動しており、2nd II None、Snoop Dogg、Dr. Dre、2Pac、Suga Freeなどのウェストコーストアーティストの楽曲をプロデュースしている。
そんな西海岸レジェンドのDJ Quikが自分の作業プロセスについて語っているので、紹介したいと思う。
俺が音楽をつくりはじめたときは、絶対にドラムビートから作るようにしていたんだ。まずドラムマシーンでビートをつくって、その上には何もない状態からはじまる。そのドラムビートが出来上がった後で上の音楽をドラムにあわせて作るという作業プロセスだった。
ただ年をとって音楽的に成長したからか、今はメロディからつくるようになったな。昔は「下から上」という順番で作っていたけど、今は上から下の順番につくっているね。
昔のプロデューススタイルと現在のプロデューススタイルの違い、または音楽的に成長するにあたってついたスキルについて語っている。さらにはJay Zの曲をプロデュースしたときを例にとり、彼のプロデューススタイルについてさらに詳しく語っている。
例えばJay Zと一緒に仕事したときは、俺は全部その場で作ったんだ。皆とその場でセッションをしながらトラックをつくるのが、俺のスタイルだと言える。俺が一番影響されたのは「Quicy Jones(クインシー・ジョーンズ)」と「Rod Temperton(ロッド・テンパートン)」だし、彼らは本当に実践型の人たちだった。
あとはそのラッパーの特性をちゃんと理解してから、トラックをつくるようにしているね。そのラッパーが得意なことを最大限に活かせるように、まずはそのラッパーのスタイルについて勉強してから作るよ。
ちなみにクインシー・ジョーンズとロッド・テンパートンはマイケル・ジャクソンなどをプロデュース/作曲したことで知られている。クインシー・ジョーンズは最強のプロデューサーと言われており、Dr. Dreが最も尊敬する人としても挙げている。特にロッド・テンパートンは「Thriller」を作曲したことで知られており、この2人はブラックミュージックのプロデューサーにとっては神と言っても過言ではない。そんな彼らに影響されているDJ Quikだからこそ、時代を超えて愛されるトラックをつくることができるのであろう。
ライター紹介:渡邉航光(Kaz Skellington)カリフォルニア州OC育ちのラッパー兼Playatunerの代表。FUJI ROCK 2015のルーキーステージに出演したumber session tribeのMCとしても活動をしている。
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