Childish Gambinoの「Awaken, My Love!」から愛を感じることができるリリック5選
Writer:渡邉航光(Kaz Skellington)
Donald Glover、通称Childish Gambino(チャイルディッシュ・ガンビーノ)
彼が2016年12月2日にリリースした新アルバム「Awaken, My Love!」がクエストラブなどのミュージシャンに大絶賛されているとの記事を先程書いたが、皆さんはこの作品を既に聞いただろうか?今までのラップというジャンルから離れ、タイムマシンに乗ったかのような、70年代を感じるサイケファンクを取り入れたこのアルバムは必聴だ。
そんなこの作品のテーマ、「愛と平和」を感じとれるリリックを5つ選んでみた。
Have Some Love
“Have a word for your brother/Have some time for one another/Really love one another/It’s so hard to find”
兄弟たちと言葉を交わそう。他の人たちと過ごす時間も増やそう。お互いを愛いそう。見つけるのがとても難しいことだから
この曲ではシンプルに世界が一つになることを願う彼の想いが表れている。言葉を交わし、理解し、愛することはこう簡単に見えてもとても難しいことなのだ。
Riot
“No good fighting/ World, we’re out of captains/Everyone just wants a better life”
戦いに良いなんてない。キャプテンが世界にはもういない。(暴動している)みんなただもっと良い人生を送りたいだけなんだ。
「暴動」という意味の曲名。その暴動している人たちも「ただ良い人生を送りたい」だけ、という内容の曲だ。良い戦いなんて存在しないと彼は語る。
Baby Boy
“Don’t take my baby boy/Don’t take my pride and joy/I hope I stay close”
まだ幼い息子を私から奪わないでくれ。私のプライドと喜びを奪わないでくれ。ずっと近くにいれると願う
今年の頭に息子が生まれた彼が語る息子への想いがこの曲に込められている。彼の息子の母親との関係が良好ではないなか、息子の近くにいたいという気持ちが歌詞に表れている。そしていつか息子の中の父親の記憶がなくなってしまう恐怖が込められている。
Stand Tall
“Keep all your dreams, keep standing tall/If you are strong you cannot fall/There is a voice inside us all/ So smile when you can, when you can”
夢を持ち続けて、背筋を伸ばせ。強くいれば落ちることはない。皆の心の中には声があるから、可能なときは笑顔を見せろ
この曲は小さい頃に彼の父親に言われたアドバイスを思い出している曲だ。夢を持ち続けて強くいる。それを信じている彼だからこそここまでマルチタレントとして活躍できるのであろう。
Boogieman
If you point a gun at my rising sun / Though we’re not the one / But in the bounds of your mind / We have done the crime
もし新しい1日に銃を向けたら…私たちがやった人たちじゃないのに。でもあなたの心のなかでは私たちがやったと決めつける。
この曲は警察の黒人に対する「犯罪者」という決めつけについて、Boogiemanよ助けてくれと叫んでいる曲である。ブギーマンというのはアメリカの親が子供の躾のために使用する架空の怪物/おばけのことであり、音楽のBoogieともかけている。さらにこの「Rising Sun(上がる太陽)」のSunは同じ発音の「Son(息子)」とかけており、「もし自分の息子に銃を向けたら私がブギーマンとしてお前を襲う」と語っているのである。
このように彼の新作は「音」だけではなく、内容としてもかなりグッとくる内容となっている。このように言葉を解析することにより、作品の本質を読み解くことができるのでオススメである。
ライター紹介:渡邉航光(Kaz Skellington)カリフォルニア州OC育ちのラッパーであり、Playatunerの代表。umber session tribeのMCとしても活動をしている。
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