Dr. Dreの右腕プロデューサーであったScott Storchが自己破産への道を語る

 

2000年代で最もヒットを飛ばしたと言っても過言ではないプロデューサー、Scott Storch。裏方に徹しているため、案外彼の名前を知らない人も多いが、彼のプロデュース歴を見ると納得であろう。

まずはThe Rootsのキーボードプレイヤーとして「You Got Me」などの名曲をプロデュースし、さらにプロデューサーとしてデビューがなんとDr. Dre(ドクター・ドレー)の名作、「2001」である。表向きはドレーのプロデュースではあるが、キーボードやピアノのフレーズはスコットが作ったと言ってもいいだろう。その中でも特に「Still Dre」のピアノリフはスコットが作ったものであり、当時のドレーの右腕として活躍した。その後もクリスティーナ・アギレラ、ビヨンセ、G-Unit、ジャ・ルール、50 Centなどのトラップを多くプロデュースし、2000年代を代表するプロデューサーとなった。

しかし彼の栄光は長く続かず、2009年に自己破産をし、表舞台から姿を消した。当時何があったのかを上記の動画で語っているので、下記にて要約をした。

Scott Storchプロデュース作品のまとめ30曲

 

月の出費が大体1億円ぐらいだった


➖かなりの富を得たと思うのですが、大体どのようなことにお金を使っていたのですか?

Scott: 当時は20人も雇っていたんだよ。一人ひとりに役割分担をしていた。

 

➖例えば?

Scott: 例えば俺が頼んだら24時間いつでもマリファナを巻いてくれる「ウィードローラー」とかを雇っていたんだ。後は自分の船を操縦するキャプテン、運転手なども雇っていた。船は7部屋あるやつで20億円相当のものだったな。

 

➖20億…他には?

Scott: セキュリティガードが4人、メイド3人、アシスタント数人….当時の家を管理するための月の経費が1億円…とりあえずコカインはヤバいドラッグだってことしか言えないな…

 

24時間いつでもマリファナを巻いてくれる「ウィードローラー」…?ランボルギーニ、ブガッティなどの高級車をあわせて15台所有していたりの情報もあるが、専用のウィードローラーがいたという人は他にいるだろうか?

ヒット曲を飛ばしまくり、とんでもなくお金持ちだった彼はさらにこう続いた。

 

Scott: 当時はお金を持っていて、いろいろな人のためにお金を使ったり、毎日のように豪邸でパーティーをしていたけど、心の中は惨めだった。自分のためになっていなかったし、結局は自分を着飾るためのコスチュームでしかなかったんだ…

当時ハリウッドに出て、自分が今まで経験したことがなかったカメラの数や、有名な女性とデートする機会があって、悪い世界に入ってしまったんだ。そこで渡されたピンクのコカインの中毒になり、仕事をする気力も含めて全てを失くなってしまった。音楽に対する愛も失ってしまった。普通の人なら中毒で死ぬより先にお金がなくなるんだろうけど、俺の場合は印税の収入があったから本当に死ぬ可能性があった。

 

ヒット曲を飛ばしまくったり、エンターテイメントの世界で成功するととんでもない誘惑があることは知っていたが、70億円ほどを失った人はあまりいないだろう。現在Scott Storchはリハビリを終え、一生アルコールもドラッグもやらないと誓い、音楽プロデューサーとして復活している。ヒット曲を作る才能は今だも健在である。

いいね!して、ちょっと「濃い」
ヒップホップ記事をチェック!